『ある用務員』感想|用務員×暗殺者の異色クライムアクション(ベビわるの原型的要素あり)

『ある用務員』は、阪元裕吾監督が『ベイビーわるきゅーれ』の半年前に手掛けたアクション映画。
本作に登場する女子高生殺し屋(高石あかり・伊澤彩織)のキャラクターが好評を博し、後のシリーズへとつながる原点的な一本です。

目次

『ある用務員』あらすじ

深見晃(福士誠治)は、幼い頃に父・光男(野間口徹)を何者かに殺され、裏社会を牛耳る真島グループの総裁・真島善喜(山路和弘)に育てられた。
現在は、真島の娘・唯(芋生悠)を陰から守るため、彼女の通う高校で正体を隠し「用務員」として働いているが、その裏では真島に鍛えられた殺し屋としての顔も持つ。

やがて真島が日本での事業撤退と香港進出を打ち出したことで、部下の西森(般若)が反発。
深見と真島の実子・本田(前野朋哉)を巻き込んだ“ある計画”が動き出す。

その出来事をきっかけに、深見の過去が明らかになっていき、、同時に唯の身にも危険が迫っていく――。

📽️公式予告動画

💡三つの見どころ

日常と暴力が交錯する「学校」という舞台

本作の舞台は、どこにでもある普通の「高校」です。生徒たちが過ごす何気ない日常の空間が、一瞬にして壮絶な戦場へと変貌を逆転します。この日常と非日常の圧倒的なコントラストが、観客に息つく暇もない緊迫感を与えます。

「地味な用務員が凄腕の暗殺者」というギャップの妙

一見、学校に溶け込む地味な用務員。しかしその正体は、裏社会を生きる凄腕の暗殺者という設定が秀逸です。普段の「静」の姿から、戦いの中で魅せる「動」への切り替えの鮮やかさが、物語の大きなフックとなっています。

阪元裕吾監督が描く、生々しく「痛みの伝わる」本格アクション

三池崇史監督作品などを手掛けるアクション集団・Gocooによる本格的な肉弾戦は見応え十分です。阪元裕吾監督らしい、至近距離での泥臭く勢いのある戦闘シーンは、派手さだけでなく、観ているこちらまで“近さ”や“痛み”を感じるほどの高い没入感を生み出しています。

『ある用務員』感想

※ネタバレ含みます

いきなり銃声からの、深見の父・光男が倒れるっていう始まりから気になる展開。
段々関係性がわかってきた矢先に、真島が殺される。
そこから怒涛の展開で、最後まで目が離せなかったです。

真島にはもう一人息子がいて、それが前野朋哉さん演じる本田。
見た目は物静かで、とても暴力団の息子には見えない穏やかな雰囲気。
……なのに、自分を拘束した団員をあっさり銃殺するギャップ。これが強烈。

「もう令和ですよ。ヤクザなんてオワコン」
このセリフも含めて、かなり痺れました。

そして個人的に一番テンションが上がったのがここ。
集められた殺し屋の中に、『ベイビーわるきゅーれ』のちさと(高石あかり)と、まひろ(伊澤彩織)が登場!

なんというか、『べびわる』同様、ふたりのやり取りがゆるくて、画面がそこだけ明るくなるんですね。
でも、アクションシーンになると、激しいアクションを繰り広げる。
彼女たちの図書館シーンだけは、『ベビわる』を観ていたような気にさえなりました。

個人的には、『ベビわる』でも可愛いふたりでしたが、
本作の制服姿のふたりがビジュ爆発してた気がしました!

もちろん物語自体もちゃんと軸があって、
深見が唯を救えるのか――その一点にしっかり引っ張られる構成。

本作で映画初主演を務めた福士誠治さんが、幼くして父を殺され暴力団の真島に育てられた陰のある役どころを好演しています。ケガを負いながらも真島の「一人娘だけは守ってくれ」という遺言を守るため、命をかけて戦う姿は感動させられます。

さっきまでギャップがかっこいいと思っていた本田が、
にこにこしながら仲間すら撃っていく不気味さに変わっていくのも印象的。

あと、『ベビわる』でいうと、
『ベイビーわるきゅーれ』で暴力団の娘に雇われてちさと&まひろに瞬殺された伊能昌幸さんが、
唯の幼馴染役で出ていて、高校生なのにめっちゃ強かったのと、

『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』で、年齢とのギャップで、
菅田将暉さんや『はな恋』について語っていた渡辺哲さんが
今作ではスナイパー役で出ていたのも個人的にはツボでした!

もうひとつ個人的に印象に残ったのが
唯役の芋生悠さん。
彼女は、朝ドラ『ばけばけ』で“呪われた女”と噂される吉野イセ役を演じていて、
その怪演が記憶に新しい。
あのミステリアスな印象を知っていると、
本作での初々しい女子高生役でありながら、命を狙われるというキーパーソンな存在がまた違って見えて、
個人的にはちょっと嬉しいポイントでした。

『ある用務員』は、コンパクトながら見応えのあるアクションとキャラクターの魅力がしっかり詰まった一本でした。


🌿こんな人におすすめ

・『ベイビーわるきゅーれ』シリーズが好きな人

・“守るために戦う”系の主人公が好きな人

・限られた空間でのバトル(閉鎖空間アクション)が好きな人

・ちょっとクセのあるキャラや狂気を楽しみたい人

ベビわる好きはもちろん、“コンパクトで濃いアクション映画”を探している人にもおすすめの一本です。


『ある用務員』配信・購入情報

配信

DVD・Blu-ray

※Amazonプライム会員の方は、追加料金なしで見放題対象の場合があります(初回30日間無料体験あり)。
※各サイトの配信状況、価格、在庫状況は時期によって変わることがあります。最新の情報は各リンク先にてご確認ください。


『ある用務員』作品情報・キャスト

2020年製作/86分/PG12/日本
配給:キグー
劇場公開日:2021年1月29日
監督:阪元裕吾
脚本:松平章
キャスト:
深見晃:福士誠治、真島唯:芋生悠
本田優介:前野朋哉、西森:般若
村野一:ノ瀬ワタル、清水優
稲岡:北代高士、ヒロ:伊能昌幸
龍ヶ崎翔太:近藤雄介、尾崎明日香
シホ:伊澤彩織、リカ:高石あかり
遠藤:波岡一喜、深見光男:野間口徹
源さん:渡辺哲、真島善喜:山路和弘


🔗関連記事

高石あかり×阪元裕吾のタッグが気になる方はこちら

『ゴーストキラー』レビュー

”ベビわるコンビ”がもっと見たい方はこちら

『ベイビーわるきゅーれ』レビュー
『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』レビュー
『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』レビュー

💡 あわせて読みたい:映画ファン必見!主演・福士誠治の“原点”を知る一作

本作で圧倒的なアクションと渋い演技を披露し、映画初主演を飾った福士誠治さん。そんな彼の記念すべきスクリーンデビュー作が、2003年製作の青春映画 ⁠『チルソクの夏』 です。

ヒロインのボーイフレンド役(陸上選手)として出演しており、今とはまた違う、デビュー当時ならではのみずみずしくフレッシュな演技を観ることができます。
『ある用務員』でのハードな姿とのギャップに驚くこと間違いなし!彼の俳優としての歩みを感じるためにも、ぜひあわせてチェックしてほしい隠れた名作です。

👉 『チルソクの夏』の詳しい見どころ・感想レビューはこちら→七夕と言えばな一本🎋『チルソクの夏』に観る1970年代の青春と上野樹里の凄み


Xはこちらからどうぞ

Xではブログの更新や、日々の小さな気づきをつぶやいています。
気軽にフォローしてもらえたら嬉しいです✨

Xアイコン azusaをフォローする
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

映画と暮らしの中の “ちょっといいもの” を綴るブログ。
映画好きの二児の母。アラフォー/首都圏在住。
X(@azusa)でも映画の感想を発信しています。
下のアイコンからぜひフォローしてください✨

コメント

コメントする

目次