忘れられない映画ってあると思いますが、自分にとっての忘れられない映画の一つが本作です。青春のきらめきやせつなさがつまっていて、流れてくる音楽と映像だけで泣けてしまうんです。本気で…!
それが、台湾青春映画の『藍色夏恋』です。今はAmazonプライムやU-NEXTなどのサブスク見放題配信がありませんが、だからこそ一度観たら忘れられない大切な作品です。
今回は『藍色夏恋』の見どころと、原題に込められた意味などのネタバレ考察を、溢れる感情のままに!ご紹介したいと思います。
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【TSUTAYA DISCAS】DVDレンタル『藍色夏恋』基本情報・あらすじ
【基本情報】
- 原題: 藍色大門(英題:Blue Gate Crossing)
- 公開年: 2002年(台湾・フランス合作)/ 日本公開:2003年7月19日(2018年にデジタルリマスター版がリバイバル上映)
- 監督: イー・ツーイェン
- 主要キャスト:
- モン・クーロウ役:グイ・ルンメイ
- チャン・シーハオ役:チェン・ボーリン
- リン・ユエチェン役:リャン・シュウフェイ
- 上映時間: 84分 [eiga.com]
日本配給: 角川ヘラルド映画(現KADOKAWA)/ 2018年リマスター版配給:マクザム
【あらすじ】
17歳の女子高生のモン・クーロウ(グイ・ルンメイ)は、親友のユエチェンから「代わりにラブレターを渡してほしい」と頼まれます。その相手は、水泳部の人気者の男の子、チャン・シーハオ(チェン・ボーリン)。
しかし、シーハオは手紙を渡してきたクーロウ本人が自分に気があると思い込んでしまいます。
勘違いから始まった、ぎこちない3人の距離感。それぞれが誰にも言えない秘密や葛藤を抱えながら、台湾の眩しい夏の終わりへと向かっていく、ほろ苦い青春ストーリーです。
📝 『藍色夏恋』見どころ
◆みんなが片想いしてるシチュエーション
チャン・シーハオに思いを寄せるモン・クーロウの親友ユエチェンと、
勘違いからモン・クーロウを好きになっちゃうチャン・シーハオ。
そして、モン・クーロウは、また別の相手に好意がありました。モン・ク―ロウが、自身の想いを吐き出すシーンで誰への好意があるかが分かるし、その告白シーンもただの告白だけではないので、ぜひ観てほしいです。
また、親友のユエチェンが、こっそり好きな人(チャン・シーハオ)の私物を持っていたり、ノートに好きな人(チャン・シーハオ)の名前を何度も何度も書くのですが。
それは、もしかしたら誰もが昔どこかで通ってきた道だったりしませんか。女の子ならなおさら思い当たるところがある人も多いような気がします。
片想い特有のどうしようもない気持ちと、本当の恋をまだ知らない純粋さ。そんな懐かしい恋の痛みも描かれているところも特徴的です。
◆切なすぎて本気で泣ける…!音と映像が織りなす圧倒的な青春の眩しさ
そして、なんといっても、音楽が良いのです。また、音楽に合わせて映像もとっても印象的。
1. 心に染みるピアノのメロディ
とにかく音楽が素晴らしいのです…。
青春特有のまだ何者にもなっていない時期に加えて、皆が片思いという切ないシチュエーション。
そこに合わせてピアノの奏でるメロディがただただ優しくて、それだけで泣けてしまうほどです(本気で)。
そこに、水色のシャツを着て自転車で風を切るチャン・シーハオ(チェン・ボーリン)の眩しさが重なります。はにかむような笑顔を見せたかと思えば、どこか野性的な魅力もあわせ持つ彼のカッコよさ(整った外見はもちろん!)。
登場人物たちが抱える切なさが、音と映像だけで見事にシンクロしています。
2. 美しい夜のプール
なかでも印象的なのが、夜のプールのシーンです。
きらきらと輝くプールの青さ、水面の揺らぐ美しさ、静かに響く水の心地よい音。
誰もいない夜のプールにこっそり忍び込むというシチュエーションは、青春特有のドキドキの極みではないでしょうか…。
この映像の美しさは、何年経っても、いつ観ても色あせることはないのです。
3. しんみりしすぎない絶妙なポップさ
映画全体は切なさが溢れているのですが、エンディングや、モン・クーロウとユエチェンが好きな人の話をしながら踊るシーンで流れる曲は、どこかポップ。
このさわやかな音楽のおかげで、物語がしんみり重くなりすぎないところも絶妙なバランスで最高なのです!
※本作は配信サブスクでの見放題がないため、今すぐ観たい方は TSUTAYA DISCASや、【AmazonでのDVD購入】 などをチェックしてみてください。
📝 『藍色夏恋』考察|なぜこんなに切なくて愛おしいのか【ネタバレあり】
① 切なすぎる矢印
チャン・シーハオが好きになったモン・ク―ロウの好きな人。
もん・クーロウが本当に好きだったのは、女の子で親友のユエチェンだったのです。
モン・クーロウがいつも無表情で楽しそうに見えなかったのも、同性を好きかもしれないというマイノリティの悩みや、親友への秘めた恋心に一人で深く思い悩んでいたからなのだと思いました。(そりゃ苦しいよ…)
彼女がひとり抱えていた悩み・孤独を想うと胸が締め付けられます。
② 相手を想いやる二人
さらに切ないのは、モン・クーロウが自分の気持ちを押し殺して、ユエチェンをチャン・シーハオに紹介するシーンです。
チャン・シーハオは怒ります。「お前の気持ちは」と。
でも、好きな人が自分以外を好きだと知っている上に、同性を好きなことを打ち明けることは到底できなかったモン・クーロウ。
お互いを想いやるがゆえの本気のぶつかり合い(結構長く、掴み合い体当たりでぶつかり合うシーン)は、いたたまれなくなるしこちらまで苦しくなるほどでした。(マジです)
「気持ちを言ったら友達でいられなくなる。すべて思い通りにいかないわ。この世は不公平にできてるのよ」と、17歳にして人生を悟ったかのようなモン・クーロウ。
そして「ごめん、あなたが17歳だったら大学受験のことだけ考えたいでしょ」と、怒っていたチャン・シーハオのことも優しく気遣う彼女の優しさにまた胸がつまされます…
③ 夏の終わり
その後、チャン・シーハオに振られて失恋するユエチェンと、彼女にキスをし拒絶されてしまうモン・クーロウ。二人はそれぞれ、深い挫折と失恋を味わいます。
夏の終わり、チャン・シーハオの水泳大会が終わったあとに再会したチャン・シーハオとモン・クーロウは「まだ何もしてない、ただ走ってただけだ」と嘆き合います。
けれど「何かは残ってるさ。そうして少しずつ大人になる」と、どこかで聞いたようなセリフを交わして笑い合う二人の姿には、確かに静かな救いがありました。
④原題『藍色大門(青い大きな門)』が意味するもの
ここで、本作の「タイトル」について少し深掘りしてみたいと思います。
邦題は『藍色夏恋』という瑞々しい恋のタイトルですが、台湾の原題は『藍色大門(青い大きな門)』といいます。
イー・ツーイェン監督曰く、この「大門(大きな門)」は、誰もが大人になるために通り抜けなければならない「思春期の境界線」を表してるのだとか。
また監督曰く、「藍色(ブルー)」は少年少女の爽やかさであると同時に、彼らの「未来への祝福」という意味が込められているそうです。
映画の中で、主人公たちは多くを語らないのが印象的なのですが。
その余白の多さは、まさに目の前にある大きな門をくぐろうと、必死にもがいている葛藤の現れなのだと思いました。
彼女たちが確かにその門をくぐり、それぞれの未来へと一歩進んだことを確信させるのが、忘れられないラストシーンへと繋がっていきます。
⑤未来は見えなくても――希望のラスト
そして、ラストシーン。シーハオはクーロウを直視せず、うつむきながら時にはにかみながら言います。
「もしいつか、一年後か三年後、男性を好きになり始めたら一番に知らせろ」と。
彼は青いシャツをなびかせ、自転車で走り出します。(うぅ、なんていい奴なんでしょうか…涙)
優しいピアノの旋律の中、彼の背中を追いかけるクーロウのナレーションが重なります。
「私たちは1年後か3年後か5年後、どう変わってるかと。あなたは明るく誠実でカッコよくなってる。
何年後かに会うあなたは、青色の正門の前で、午後3時の日差しの中、にきび顔で微笑み、私が『元気?』と駆け寄ると小さくうなずく。
3年後か5年後、あるいはもっと先、私はどんな大人に?目を閉じても浮かんでこない。
でも、あなたの姿は見えてくる」
二人が笑顔で自転車を漕ぎ、まばゆい光が差し込み、優しいピアノのメロディが包み込む。このシーンは、この先もずっと私の心の中で色褪せることはありません。
自分の性への不安や、将来の形は見えなくても、目の前で誠実に接してくれた「彼」の未来だけは想像できた。切ないのに、これ以上ないほど希望に満ちあふれた最高の名シーンです…
まだ人生は始まったばかり。今しかない尊い時間をとても繊細に描いているからこそ、この映画が愛おしくてたまらないのです。
そして最後に――彼らが体育館の壁に残した落書きの「種明かし」まで、ぜひその目で確かめてみてください。
📝 おわりに
この映画は、いま青春のまっただ中にいる人にも、将来に不安を抱えて悩んでいる人にも届いてほしい作品です。人の心を動かすのに理由なんてないのだな、と改めて実感させられます。誠実に、相手を思う素晴らしさ。それに尽きるのですね。
ちなみに、ずいぶん昔に観た作品ですが、今回改めて観返してみたら、 チャン・シーハオを演じたチェン・ボーリンくんの魅力に、一瞬でまた沼に落ちてしまった筆者です(笑)。
大人になった20代、30代、40代、あるいはもっと先の年代の人にも、ぜひ観てほしい隠れた傑作です。何歳になって観ても、あの頃の青春のきらめきと切なさを思い出させてくれます。ぜひに。
🎬 『藍色夏恋』はこんな人におすすめ!
- 夏の終わりに、とにかく切なくてエモい気分に浸りたい人
- セリフが少ない、映像と音楽で魅せる「余白の多い映画」が好きな人
- チェン・ボーリンのはにかむ笑顔と、野性的なカッコよさに溺れたい人
- 夜のプールのきらめきや、自転車で風を切るまばゆい青春を感じたい人
- 自分の将来や性(マイノリティ)への不安を抱え、一人で思い悩んでいる人
- 20代〜50代になり、かつての「17歳のあの頃」を愛おしく振り返りたい人
『藍色夏恋』配信・購入情報
🎬 この映画を観る
見放題・レンタル配信:なし
残念ながら、現在 Netflix、Amazonプライム、U-NEXT などの主要な動画サブスクでの配信は一切行われていません。
【DVD・Blu-rayのレンタル】
TSUTAYA DISCAS(宅配DVDレンタル):〇(視聴可能)
現在、日本国内で本作を確実かつ手軽に視聴できる唯一のルートは、TSUTAYA DISCAS によるDVDの宅配レンタルです。初回登録の無料お試し期間などを利用してサブスク感覚で自宅にいながら借りることができます。
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単行本
サントラ
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