イタリアらしいユーモアが随所にちりばめられ、軽い気持ちで楽しめる作品です。笑いながら観ていたはずなのに、気づけば人生についても考えたくなる——そんな不思議な魅力を持つ映画『Viva!公務員』を紹介します。

※画像は作品公式宣材をもとにしたビジュアルです
『Viva!公務員』作品情報
製作国:イタリア
上映時間:86分
製作年:2015年(日本公開:2017年)
レーティング:PG12
原題:Quo vado?
監督:ジェンナーロ・ヌンツィアンテ
出演:ケッコ・ザローネ、エレオノーラ・ジョヴァナルディ、ソニア・ベルガマスコ ほか
配給:パンドラ
『Viva!公務員』作品紹介
終身雇用こそ安定の象徴だと信じ、公務員として働くことを夢見てきた独身男性ケッコが主人公の社会派コメディです。念願の職を得て15年、平穏な日々を送っていた彼の前に突如として「公務員削減」という政府の方針が立ちはだかります。職を守りたいケッコと、どうにか辞めさせたいリストラ担当者の攻防は、やがてイタリア全土を巻き込む大騒動へと発展していきます。
イタリアで大ヒットを記録した本作は、働き方や安定への執着をユーモラスに描いた作品で、主演は国民的コメディアンのケッコ・ザローネが務めています。
『Viva!公務員』あらすじ
子どもの頃から「安定した人生=公務員」という価値観を信じてきたケッコ(ケッコ・ザローネ)は、努力の末に念願の公務員となり、15年間その地位にしがみついてきた。ところが政府が公務員削減に踏み切ったことで、彼もリストラ対象に。
それでも絶対に辞めたくないケッコは、あらゆる異動命令を受け入れて職にしがみつく。リストラ担当者は彼を退職に追い込むため、次々と過酷な僻地へ左遷。ついには北極圏の研究施設という極限の地へ送り込まれてしまう。
しかし、どんな環境でも妙に順応してしまうケッコの図太さと楽観性は、周囲の人々を巻き込みながら予想外の展開を生み出していく。果たして彼は、公務員という“安定”にしがみつき続けるのか。それとも新しい生き方を見つけるのか――。
(映画.com、公式サイトを参考にしました)
『Viva!公務員』感想・考察
ケッコという人物について
正直、最初のケッコにはあまり好感が持てませんでした。公務員という肩書にあぐらをかき、彼女やその家族、お客様に対してもどこか横柄。しかもママっ子。「なんだこの人…」と思いながら見始めたのが本音です。
でも、異動命令が出てからのケッコは少し違いました。偉そうな態度やママっ子気質は残っているものの、どこかしなやかで、妙にたくましい。安定という職にしがみついているようで、実は型にはまっていない。そんな不思議な魅力が見えてきました。
そして、異動命令が出た多くの人は、それよりも多めの退職金を受け取る早期退職を選んだ。唯一拒んだのがケッコでした。
「最適解」とケッコ
ここでふと、最近よく耳にする「最適解」という言葉が浮かびました。
第三者から見れば、ケッコにとっての最適解は「多額の退職金をもらう早期退職して再出発すること」だったはず。政府の人員削減方針もあり、誰が見てもその道が“正しい選択”に思える。
でもケッコはそれを選ばなかった。つまり、それは彼にとっての最適解ではなかったんですね。
安定を手放したくないという意味では型にはまっている。でも、誰もが選ぶ“合理的な選択”をあえて選ばないという意味では、型にはまらない。大げさかもしれないけどその矛盾の中に、ケッコのしなやかさと強さがあるように感じました。
ケッコのしなやかさと、得たもの
転勤先のどこでも楽しみを見つけ、前向きに生きるケッコ。北極圏の研究施設という極限の地に飛ばされたときは、さすがに無理だろう…と思ったのですが、彼はその想像を軽々と超えてきました。そこで彼は、新しい世界や価値観、大切な人との出会いなど、安定というブランドでは手に入らないものを得ていきます。
安定は大事。私自身も大好きです。でもそのうえで、自分にとって変わるきっかけが来たらその自覚がなくても枠から飛び出してみることも大切なんだと、ケッコを見ていて思いました。
ケッコにとっての「本当の最適解」
退職はケッコにとっての最適解ではありませんでした。彼が選んだのは、周囲から見れば“非合理”に見える道。でもその選択が、彼に足りなかった経験や出会いをもたらし、結果的に彼自身の最適解へとつながっていったのだと思います。
『Viva!公務員』がくれた気づき
型にはまる・はまらないという話を書きましたが、極論どちらでもよくて。大事なのは「自分がどう生きたいか」。もちろん、それだけで生きていけるほど世の中は甘くないけれど、迷ったときに軸にすべきはやっぱり自分なんですよね。
誰がどう見ても“最適解”に見える選択肢でも、肝心の自分がそれを良いと思えなければ意味がない。
だからこそ、最適解という言葉では片づけられないのが人生なんだと思います。
ケッコの人生はまさに “Viva!”。真面目に長々と書きましたが、作品自体は明るく軽い気持ちで観られるので、ぜひ楽しんでほしいです。
冒頭のシーン、私は完全にしてやられました。
そこもぜひお楽しみに。
ところで公務員を多少はいじってるんでしょうか…真面目な疑問です。
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