『ファーストキス 1ST KISS』は、
「花束みたいな恋をした」「怪物」の脚本家・坂元裕二と、
「ラストマイル」「わたしの幸せな結婚」の監督・塚原あゆ子が
初タッグを組んだ恋愛映画です。
松たか子と松村北斗が主演を務め、
時間を越えて再び出会う二人の物語が描かれます。
『ファーストキス 1ST KISS』あらすじ
事故で夫の駈(松村北斗)を亡くしたカンナ(松たか子)。
悲しみに暮れる中、彼女は不思議な出来事をきっかけに過去へと戻り、
まだ自分と出会う前の若き日の駈と再び出会う。
未来で起こる別れを知るカンナは、
限られた時間の中で彼との関係や人生の選択に向き合っていく。
『ファーストキス 1ST KISS』見どころ
◇坂元裕二 らしい、“何気ない会話”の中に本音がにじむセリフ
◇塚原あゆ子 の温度感ある映像と、静かに感情を積み重ねる演出
◇“もし違う選択をしていたら”という、多くの人が共感できるテーマ
◇恋愛だけでなく、「人生の選択」や“大切な人との時間”についても考えさせられる余韻
◇松たか子 × 松村北斗 の自然体で心地よい空気感
『ファーストキス 1ST KISS』感想
想像していたストーリー展開と違って実は最初少し戸惑いました。
でも、そこはさすがの坂本脚本で、「あるある」と思えるセリフや場面が積み重なっていくうちに、
いつの間にか自然と感情移入していました。
松たか子さんと松村北斗さんがリアルな夫婦を好演していて、
その点もより自分事と重ねて観られました。
この映画を観て改めて思ったのは、
「今そばにいる人を大切にできているか」ということ。
変わり映えのしない日常って、つい当たり前に感じてしまうけれど、
本当はそれだけで、ちゃんと愛に満ちているのかも…
筆者自身も、つい夫の悪い癖ばかり指摘してしまったり、正論の言い合いになることがあります。
本作を観ながら、全然違うビジュアルなのに松村北斗さんに夫を重ねてしまい、
恥ずかしながら出会った頃や新婚生活のことを思い出しました。
出会えたこと、結婚できたことを「よかった」と思える日々を、この先も大切にしていきたい。
そんなふうに、素直に思わせてくれる映画でした。
気になった方はこちらから観られます。
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『ファーストキス 1ST KISS』考察
ここから少し本作を考察してみたいと思います。
※ネタバレあります。
タイトル「ファーストキス」の意味
映画タイトルの「ファーストキス」は、同じ人に何度出会っても恋をする。
そんな感情を表しているように感じました。
過去へ戻り、もう一度出会い直すことで、
二人の関係はまるで初恋のように始まります。
結局、人を好きになることに明確な理由はないけれど、
それでもやっぱり好きになるってことなんですね。
タイトルには、愛する人と何度でも出会い直し、何度でも恋をするという意味が込められているのかもしれません。
時間を超える恋愛という物語の魅力
本作は、過去へ戻るというSF的な設定を取り入れながらも、
描かれているのはとても身近な夫婦の物語。
もし大切な人ともう一度出会えるなら―という普遍的な問いが、
観る側の感情を強く揺さぶります。
時間を越える設定でありながら、
物語の中心にあるのは人と人との関係であり、
だからこそ多くの人の心に響く作品になっているのではないかと感じました。
坂元裕二らしいセリフと人間描写
脚本を手がけた坂元裕二さんらしく、
日常の会話の中に心に残る言葉が散りばめられていたように思いました。
「恋愛しているときは相手のいいところを見る。
結婚すると欠点を探すようになる。」
「恋愛感情がなくなった夫婦は、
好き嫌いじゃなくて正論の言い合いになる。」
「夫婦って、好きだから一緒にいるんじゃなくて、
一緒にいるから好きでいられるのかもしれない。」
恋愛と結婚の違いを象徴するような言葉で、
個人的にもとても刺さりました…
坂元裕二さんの脚本が好きな方は、こちらもおすすめです。
👉『花束みたいな恋をした』の感想・考察はこちら
松たか子と松村北斗の演技
主人公カンナを演じる松たか子さんは、
夫を失った悲しみと、過去で再会したときの戸惑いを繊細に表現していました。
松たか子さんの声は昔から変わらず、個人的には同性ですがそれだけで恋をしたくなるような魅力があると思っています。
45歳という設定の役柄でありながら、とても可愛らしく感じられました。(うらやましい……)
一方、若き日の駈を演じる松村北斗さんは、どこか不器用でまっすぐな人物像を自然体で演じていて、
二人の関係性にリアリティを与えています。
特に印象的だったのは、松村北斗さんの切ない表情。
言葉にしきれない感情を表情で伝える演技がとても印象的で、思わず胸が締め付けられました。
ラストが問いかけるもの
物語のラストは、恋愛映画の結末というより、
人は愛する人とどう向き合って生きていくのかについて考えさせられます。
時間をやり直せたとしても、本当に大切なのは今をどう生きるか――
そんなメッセージが静かに伝わってくる作品です。
まとめ
大切な人との関係は、時間が経つほど当たり前になっていく。
だからこそ、その中にある気持ちや言葉を見落としてしまうこともあるのかもしれません。
『ファーストキス 1ST KISS』は、時間を越えてもう一度出会い直すことで、
「誰かと生きていくこと」の意味をさりげなく問いかけてくる作品です。
もし、もう一度やり直せるとしたら―。
そんな想いを抱きながらも、本当に大切なのは「今」をどう過ごすかだと気づかされます。
何気ない日常や、そばにいる人の存在を、改めて大切にしたくなる。
そんな余韻を残してくれる映画でした。
🌿こんな人におすすめ
・じんわり心に残る恋愛映画を観たい人
・坂元裕二脚本の作品が好きな人
・夫婦の関係や人生について考えさせられる映画を観たい人
・静かな余韻の残る作品が好きな人
『ファーストキス 1ST KISS』配信・購入方法
配信
Blu-ray・DVD
文庫本・シナリオブック
※配信は状況によって変わることがあります。
『ファーストキス 1ST KISS』作品情報・キャスト
製作年:2025年
製作国:日本
上映時間:124分
レーティング:G
配給:東宝
監督:塚原あゆ子
脚本:坂元裕二
キャスト:
松たか子:硯カンナ(すずり かんな)
松村北斗:硯駈(すずり かける)
吉岡里帆:天馬里津(てんま りつ)
森七菜:世木杏里(せき あんり)
リリー・フランキー:天馬市郎(てんま いちろう)
受賞・選出:
第49回 日本アカデミー賞 話題賞(作品部門)受賞、
第49回日本アカデミー賞 話題賞(俳優部門:松村北斗)受賞、
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パニック障害やPMSを抱える二人の日常を、静かでやさしい視点で描いた作品。
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松たか子出演のおすすめ映画
『四月物語』(1998)
岩井俊二が描く、北海道から東京の大学へ進学した一人の女の子の春の物語。
新しい街での緊張やときめき、春の空気感がやさしく描かれ、静かな日常の中にある小さな感情を丁寧にすくい上げた作品です。観ていると、自分の「はじまりの春」や、新しい季節のときめきを思い出したくなるような一本。
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