『マイ・インターン』は、毎日を一生懸命頑張っているのにどこかもやもやしたり、一人で悩みを抱え込んだりしている人にこそ観てほしい一作です。
ロバート・デ・ニーロ演じるベンのさりげない優しさと、アン・ハサウェイ演じるジュールズの葛藤から、“頑張りすぎない生き方”や”人とのちょうどよい距離感”を学ぶことができます。
画面から溢れる華やかな世界観に癒されながらも、ふと自分の日常を見つめ直したくなる、本作の感想と考察を綴っていきます。
『マイ・インターン』あらすじ
NYで急成長するファッションサイトを率いる若き社長ジュールズ(アン・ハサウェイ)は、
仕事に追われながらも完璧を求め続ける日々を送っている。
そんな中、ジュールズの会社に、
シニア向け雇用プログラムで応募してきた70歳のベン(ロバート・デ・ニーロ)が
インターンとして配属される。
最初は戸惑うジュールズだが、誠実で穏やかなベンの姿勢に触れるうちに、
仕事の悩みや家庭の問題を少しずつ打ち明けるようになる。
ベンは人生経験からくる落ち着きと優しさでジュールズを支え、
彼女は自分の働き方や生き方を見つめ直していく。
『マイ・インターン』感想
華やかな世界の裏にある、ジュールズの「リアルな葛藤」
フラットで自由なオフィスで、社内移動に自転車を乗りこなし軽やかに働くジュールズ。見ている分には「おしゃれ!かっこいい!ステキ!」と思います。
でも、そんな華やかさの裏では、仕事でも家庭でも悩みを抱え、どちらも大切にしたいからこそどんどん自分を追い込んでしまう……そんなジュールズの姿がありました。
「ちゃんとしてる人」ほど、はたから見たら充分頑張っているのに、「それでもまだ頑張らないといけない!」と思ってしまうんですよね。仕事に、家事に、日々を駆け抜ける私たちの姿とも、痛いほど重なります。
最高のシニア「ベン」が見せてくれた、押し付けない優しさ
そんなジュールズの前に現れたのが、70歳のインターン・ベンでした。
最初は「そんな都合のいい人いる?」なんて思ってしまうほど完璧に見えるのですが、ベンはただ優しいだけではなく、“余計なことをしない優しさ”を持った人でした。
- 無理に距離を詰めてこない
- 正論を押し付けてくることもない
- でも、必要なときにはちゃんと近くにいてくれる
その絶妙な距離感が、仕事でも家庭でも張りつめていたジュールズの気持ちを、少しずつほどいていきます。
「相手を気にかける視点」を持つということ
自分も、周りにいる人にベンのようにさりげなく心遣いができるようになりたい!そう思いつつも、「それにはまだ人生の修行が足りないかも……」とも思います。
ですが、「相手の立場に立ってみる」と考えれば、意外とすぐにできることなのかもしれないと、気づかされました。
相手へ優しくするというのは、何か特別なことをするというより、「相手を気にかける視点を持つこと」から始めるのだと、本作から学ぶことができます。
がんばり屋のあなたへ。時には人に頼る生き方を
また本作を観て、「人に頼ること」の大切さにも改めて気づかされました。人に頼ることで、心に余裕が生まれるからです。
ちなみに、筆者自身も余裕がなく、仕事や家事に追われて、目の前にいるのに我が子にちゃんと向き合えていなかったことを反省しました。
全部自分だけでやろうとしていたことをやめて、周りや夫に任せたり、「まあいいか」と自分を許したら、心に余裕が生まれました。その途端に、子どもの声や表情に意識が向いてハッとしたんです……。
「こんなに自分に向けてかわいい表情を向けて、こんなにかわいい声をしていたのか」と、心底反省しました。
人に頼ることで生まれる余裕って、本当に大切なんですよね。
まとめ:押しつけがましくない、あたたかいメッセージ
『マイ・インターン』は、そんな“頑張りすぎなくていい”というメッセージを、押しつけがましくなく、あたたかく届けてくれる映画でした。
余談ですが、ベンやジュールズの家の雰囲気がめちゃくちゃ良くて!
緑に囲まれて、自分らしいこだわりもあって。「ああいう空間で暮らせたら、もう少し穏やかに生きられそう……」と思ったのでした。ブログでも、そんな自分らしい暮らしや雑貨のことを時々綴っていますが、インテリアの視点からも何度でも見返したくなるお気に入りの一作です。
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『マイ・インターン』考察(ネタバレ含みます)
ここから少し踏み込んで本作を考察してみたいと思います。
視覚から伝わる、クラシックなジェントルマンの品格
この作品の魅力を語るうえで欠かせないのが、やはりベンという存在です。
まず、彼は見た目から違います。カジュアルな装いの社員が多い職場でも、いつも決まってスーツ。手にはクラシックな鞄を持っていて、誰よりもきちんと見えます。この「形から崩さない」姿勢が、彼の誠実さを物語っていますよね。
相手を最優先にする、圧倒的な「懐の広さ」
次に驚かされるのが、彼の懐の広さです。
何十歳も年下の同僚が部屋探しに困っていれば、妻に先立たれ独り暮らしをしている自身の家に「一緒に住もう」と快く迎え入れます。
また、職場でできた同年代のガールフレンドとのデートの日、たまたま親戚の葬式が重なってしまっても、彼女を式に同伴させることでデートをキャンセルしませんでした。どんな状況でも「相手との約束や時間を何より大切にする」という、大人の余裕が格好良すぎます。
押し付けない、変えようとしない「引き算の優しさ」
そして何より、ベンは常に相手の立場に立って物事を考えられるからこそ、相手を喜ばせる言動が自然にできるんです。
- ジュールズが悩み、思わず泣いてしまった時は、そっとハンカチを差し伸べて静かに見守る
- 忙しく時間のない彼女に代わって、散らかっていたデスクをさりげなく整理しておく
- 会社にCEOを置くかどうかの重大な決断で迷っている時は、穏やかに助言を与える
- 忙殺される秘書のために、ジュールズへ「彼女は本当によく頑張っていますよ」とフォローを入れる
ベンの気の利いた優しさは、何かを無理に変えようとしたり、正しい方向へ無理やり導こうとしたりするものではありません。
ただ相手をリスペクトし、静かにそばにいる。この「引き算の距離感」だからこそ、ジュールズも職場のメンバーも、誰一人として心を折られることなく、自分のペースで自然と変わっていけたのだと思います。
実は筆者自身、この文章を書きながら心が痛くなりました…。普段、子どもや夫に対して「自分の良かれと思うこと」を、どうやら無意識に押しつけてしまっている節があるな、と薄々感じていたからです。「ベンを見て、改めてこれじゃダメだな…」と猛反省させられました。
優しさとは、自分の正しさを押し付けることではなく、ベンの一歩引いたあの眼差しの中にこそあるのかもしれません。
別れ際の日本語「サヨナラ」に込められた意味
そんなベンの絶妙な距離感を象徴しているのが、作中でとても印象的に使われる「サヨナラ」という日本語です。ベンとジュールズが別れ際に何度か口にしていたこの言葉。
アメリカ映画の中で使われる単なるエキゾチックな挨拶ではなく、ここには「相手のフィールドにこれ以上入り過ぎないように」と、ベンがあえて一線を引くために選んだ優しさのように感じられました。自分が日本人だから余計に気になったのかもしれませんが、ベンの奥ゆかしさと知性が詰まった、本当に愛おしいシーンです。
浮気の描写が示す、ジュールズの本当の「自立」
また、ジュールズが家庭で抱えるデリケートな問題に対しても、ベンは一貫して同じ姿勢で向き合っています。
作中、ジュールズが直面するパートナーの浮気問題。ここで大切なのは、浮気を許すかどうかという「結果」そのものよりも、「その選択はどうあれ、自分自身で納得して出した答えなのか」ということ。いざ自分のこととなると、周囲の目やプライドが邪魔をして、この境地に至るのは結構ハードルが高いですよね。
そんな極限の状況でも、ベンはジュールズに対して決して正論を振りかざしたりしません。彼女が自分自身の意志で未来を選べるように、ただ寄り添い、支えてくれる。この二人の関係性は、まさに理想の人間関係そのものです。
ファッションが物語る、ジュールズの「ブレない在り方」
こうした「自分で人生を選ぶ」という姿勢は、ジュールズのファッションにも見事に表れています。
普段の仕事着からめちゃくちゃおしゃれで、そこはさすがファッションサイトの社長!というイメージそのもの。ですが、今作においてファッションは単なる華やかな装飾ではなく、彼女が「どう在りたいか」という内面を表現する役割を持っています。
特に印象的だったのは、物語の終盤、彼女が人生の大きな決断をするときの装いです。どことなくカジュアルでありながらも、全体をネイビーでまとめた落ち着いたスタイル。これは無理に肩肘を張るのではなく、「ありのままの自分で決断しよう」とする強い意志の表れで、彼女の心の迷いが消えたように見えました。
『プラダを着た悪魔』との、時を超えた見えないつながり
最後に、本作は公式な続編ではないものの、かつて『プラダを着た悪魔』で鬼上司に必死にこき使われていたアン・ハサウェイが、今度は会社を率いるトップに立っているという構図は、映画ファンならどうしても自然に脳裏に浮かんでしまいますよね。
勝手ながら「あのアシスタントだったアンディが、ついにここまで立派に成長したんだな…」というアナザーストーリーとして本作を眺めてみると、なんだか映画の枠を超えて、とても感慨深いものがあります
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まとめ|『マイ・インターン』がくれた気づき
『マイ・インターン』は、仕事や人生に悩んだり、少し疲れて立ち止まりたくなったりしたときに、何度でも観たい一本です。
仕事と家庭を両立する働く女性のリアルな葛藤や、人との心地よい距離感、そして「人に頼ること」の大切さが丁寧に描かれていて、観終わったあとには必ず前向きな気持ちになれます。
がんばり続けることだけが正解じゃない。誰かに頼ることも、立ち止まることも、自分で選んだ道ならそれでいい。
また、誰かを支えるということは、その人の人生をコントロールすることではなく、「その人が自分で選べるようにそっと寄り添うこと」なのだという、たくさんの大切な気づきを教えてくれる一作です。ロバート・デ・ニーロの優しいまなざしに、きっと誰もが癒されるはずです。
『マイ・インターン』見どころ
- ロバート・デ・ニーロ演じる「理想のシニア」ベンの圧倒的包容力
「ハンカチは女性が泣いたときに貸すために持つ」という名言を体現する、誠実でお茶目な70歳のベン。彼の優しさと豊かな人生経験に、心が芯から癒やされます。 - アン・ハサウェイ演じるジュールズの「等身大の葛藤」への共感
ファッションサイトの社長として成功しながらも、孤独や家庭との両立に押しつぶされそうになる姿は、日々がんばる現代人の胸に深く突き刺さります。 - 『プラダを着た悪魔』のファンならニヤリとする「立場逆転劇」
かつて『プラダ』で鬼編集長にこき使われていたアン・ハサウェイが、今度は「若きトップ」としてシニアのインターンを迎えるという、キャリアの成長物語としても楽しめます。
🌿こんな人におすすめ
- 仕事やキャリアに悩んでいる人
- 働く女性のリアルな物語が好きな人
- 心が温かくなる映画を観たい人
- 年齢を超えた友情や人とのつながりに惹かれる人
- 観終わったあと前向きな気持ちになれる映画を探している人
『マイ・インターン』配信・購入情報
『マイ・インターン』は現在、Amazonプライムなどで配信されています。
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🎬『マイ・インターン』作品情報・キャスト
製作国:アメリカ
製作年:2015年
劇場公開日:2015年10月10日
上映時間:121分
レーティング:G
原題:The Intern
配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:ナンシー・マイヤーズ
キャスト:
ジュールズ・オースティン:アン・ハサウェイ
ベン・ウィテカー:ロバート・デ・ニーロ
マット・オースティン:アンダース・ホーム
フィオナ:レネ・ルッソ
ジェイソン:アダム・ディヴァイン
ベッキー:クリスティーナ・シェラー
デイビス:ザック・パールマン
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