映画『猫と私と、もう1人のネコ』レビュー|気持ちを伝えること、人に頼ることの大切さ

突然、家族の誰かを支える立場になったらどうしますか。
『猫と私と、もう1人のネコ』は、そんな問いかけのある作品でした。

※画像は公式サイトより引用しています。

目次

『猫と私と、もう1人のネコ』作品情報

製作国:日本
製作年:2024年
上映時間:99分
区分:G
配給:トリプルアップ
監督:祝大輔
出演:吉名莉瑠、一青窈、津田寛治

『猫と私と、もう1人のネコ』作品紹介


ヤングケアラー問題(子どもが家族の世話を担う問題)と保護猫活動がテーマ。
全編が福岡県で撮影され、主人公の櫻役は、オーディションで選ばれた吉名莉瑠が務めました。
監督は、NHK大河ドラマなどの助監督も務めた祝大輔。監督自身が関わってきた保護猫活動の経験も物語に反映されています。

『猫と私と、もう1人のネコ』あらすじ

美術が大好きな高校生・清瀬櫻(吉名莉瑠)は、東京の美大に進みたいという夢を抱いている。
でも、娘が家を離れることを想像できない母・環(一青窈)には、その思いがなかなか届かない。
久しぶりに単身赴任から父(津田寛治)が帰り、家族3人で過ごす時間が訪れるものの、将来の話をきっかけに言い争いになり、父は家を出てしまう。
ぎこちない母子生活が始まった矢先、環が突然倒れてしまう。
気持ちの行き場を失った櫻は、匿名でSNSに思いを吐き出したり偶然出会った野良猫に癒されながらも、
少しずつ追い詰められていく…。

『猫と私と、もう1人のネコ』感想・考察

“どこにでもある家族”のリアル

本作は、どこでもありそうな家族の会話や様子が描かれます。単身赴任の父の帰宅、久しぶりの再会を喜ぶ会話。しかしほのぼのとした様子から一転、夫婦喧嘩が始まります。

母・環の「私の言う通りにしないから全て失敗したの理解してますか?」や、
父・紘一の「何でも自分が決めた通りじゃないと気に入らない。それで自分がベストだと思い込んでる。それでいつも周りの気持ちを無視する」
環「私はいつもあなたのことを考えてこうしたらどうですかと言ってます」

この掛け合い、耳が痛い人もいるのではないでしょうか。かくいう筆者は自分の言いたいことばかりを先行しがちな自分を見ているようで耳が痛かったです…。

突然訪れる不調和

話がそれましたが、そんなどこにでもありそうな家族像が描かれる中で、突然環が倒れます。
(しかも本作では、父・紘一が仕事で事業の失敗をして実家を継ぐ&妻と喧嘩で家を出るという最悪な状況が重なります)
櫻にとって突然訪れた不調和。誰しもが、櫻のように予想外の出来事から一気に不自由な暮らしになる可能性があることが示唆されます。

明るさと温かさが残る理由

そんな混乱の中でも、この作品がただの“暗い家族ドラマ”にならない理由があります。

櫻の根の明るさのおかげか、作品は必要以上に暗くはなりません。
母の介護をする中で、母が毎朝作ってくれたお弁当の話や幼少期の思い出、
「立場が逆転したね」と笑い合う場面など、温かい交流も描かれます。

それでも押し寄せる現実

しかし、現実はやはりそううまくいくわけもなくて。辛いリハビリに、一人で生活することもできずに仕事もどうなるか分からないという不安を抱える環と、全てを一人で抱えてしまった櫻の衝突するシーンは、辛いものがありました。受験準備に、コンクール作品、癒しになっていた野良猫の引き取り手探しなど、すべてがうまくいかず、櫻はどんどん追い詰められていきます。
「もうこれ救いないじゃん…」と、観ていて胸が苦しくなりました。

救いになったもの

櫻を支えていたのは、

・根の明るさと本当に良い子であること
・SNSという“誰にも言えない気持ちを吐き出せる場所”
・野良猫との出会い
の3つでした。

また、野良猫のピンチを救ってくれた、思いがけない相手に気持ちを打ち明けられたことも大きかった。
友人には打ち明けにくいことでも、他人には言えるみたいなことって現実にもありますよね。不思議ですが…。


『猫と私と、もう1人のネコ』がくれた気づき

頑張り屋の子ほどこういう状況でため込んでしまうのかなと思いました。
自分でこなせてしまうからこそ、誰にも頼らず抱え込んでしまう。
でもそれは確実に無理をきたすことになる。
本作を通して、気持ちを吐き出すこと、ためこまないこと、人を頼ることの大切さを
改めて痛感しました。
そのことでつながるご縁や、開ける道もあるのだとしみじみ思います。

人の数だけ正解がある。
この作品においても、”正解”はきっとなくて。
でも困った時に、誰でもいいから「助けて」と言える自分でありたいし、
子どもにもそうあってほしいと思いました。

余談

余談ですが、筆者も学生時代に母が椎間板ヘルニアになって一時期入院していた頃を思い出しました。当時は姉弟と父とで家事を分担していたので、櫻の比ではありませんが、それでも辛く感じていたことを思い出しました。普段の生活からの思わぬ変化や、学生という身分での家事の負担は想像以上に負担に感じました。この時にもっと友人に気持ちを吐き出したり、本作でいう猫のような癒される存在があったらもっと違っていたのかな、と今更ながら思いました。

気持ちを伝えたり、人に頼ることって意外と簡単なようで難しいと感じています。
普段から意識してみるのもよいかもしれませんね。

だからこそ、この作品が描く「頼ることの大切さ」が胸に響きました。

あと、たくさんでてくる猫ちゃんが可愛いです…
気持ちが沈む場面もあるけれど、優しさがじんわり残る作品でした。

作品は以下から視聴できます👇

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この記事を書いた人

映画と暮らしの中の “ちょっといいもの” を綴るブログ。

映画好きの二児の母。アラフォー/首都圏在住。

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