『プラダを着た悪魔2』の公開で、メリル・ストリープ演じるミランダのモデルとされるアナ・ウィンターに今更ながら興味津々なのですが。
アナといえば「メットガラ」の主催者としても有名です。そのメットガラもつい先日開催されたそうで、これは観るしかないと思い、本作を鑑賞しました。
ファッションの祭典の裏側とアナの仕事ぶりが垣間見えて、楽しめる一本でした。
メットガラとは
「メットガラ」は、ニューヨークのメトロポリタン美術館で毎年開催されるファッションイベント。
世界中のセレブやデザイナーが集まり、豪華なドレスやテーマ性のある衣装を披露する、“ファッション界最大級の舞台”として知られています。
毎年5月の第1月曜日に開催され、その年のファッションやカルチャーを象徴するイベントとしても注目されています。
メットガラの目的とは
メットガラの目的は、メトロポリタン美術館・服飾部門(コスチューム・インスティテュート)の資金調達。
この部門は、美術館内でも自ら資金を集めて運営する必要があり、その支援のために毎年開催されています。
1995年からはアメリカ版『VOGUE』編集長のアナ・ウィンターが主催者を務め、イベントは世界的なファッションの祭典へと成長しました。
劇中では、アナがこれまでに集めた資金は総額1億2,000万ドルを超えるとも語られています。
その功績から、衣装研究所は「アナ・ウィンター・コスチューム・センター」と名付けられました。
『メットガラ ドレスをまとった美術館』あらすじ
本作は、ファッション界最大級のイベント「メットガラ」に密着したドキュメンタリー。
毎年ニューヨークのメトロポリタン美術館で開催される華やかなパーティーと、企画展「鏡の中の中国」の制作過程を追っていきます。
中心となるのは、アメリカ版『VOGUE』編集長のアナ・ウィンターと、キュレーターのアンドリュー・ボルトン。
展示準備から開催当日まで、約8か月にわたる挑戦と舞台裏が描かれます。
『メットガラ ドレスをまとった美術館』感想
まずは展覧会の舞台裏が観られることが、普通に面白かったです。
テーマがあり、そのテーマに基づいて展示を作っていく過程。
しかも、それは決して順調ではなく、テーマの解釈が食い違ったり、挑戦より保守的な方向を選びたがる人もいたり。
そうした意見交換や交渉の様子がとてもリアルでした。
陰の立役者の監督たち
ウォン・カーウァイ
その中でも特に印象的だったのが、芸術監督として参加している ウォン・カーウァイの存在。
本作では、ウォン・カーウァイが展覧会「鏡の中の中国」のアーティスティック・ディレクターを担当しており、花様年華の映像も展示のインスピレーションとして引用されています。
さらに、ジャン=ポール・ゴルチエ が、『花様年華』のチャイナドレスから影響を受けたことを語る場面も。
劇中では、『花様年華』の衣装が“最も美しいチャイナドレス”として紹介されていたのも印象的でした。
また、『ブエノスアイレス』 や『花様年華』を手掛けた彼が、アンドリューと展示について議論を交わす場面も登場します。
特に印象に残ったのは、
「多くを見せすぎるのはよくない。何も見せないのと同じだ」
という言葉。
物事の真理をついている言葉だなと納得しかなかったです。
自分のブログや記事を書いていても思い当たる節があり、勝手ながら痛感してました。
ちなみに、2026年5月現在は『花様年華』公開25周年を記念した4K特別版も上映中。
改めて注目が集まっているタイミングで、本作の中で語られる『花様年華』の映像やチャイナドレスの存在感を観られるのも興味深かったです。
ガラの名誉会長、サイラス・チョウ と中国人女性との会話も印象的だった。
「なぜ過去のものばかりで、今の中国を示すものがないのか」という疑問に対し、ウォン・カーウァイ は、
“現代の中国における美学とは何か”という問いを展覧会は提示している。なぜなら今はまだ何もないからだ、と語る。
それに対してサイラス・チョウは、「発展途上だからだ」と笑顔で返す。
発展途上であれば、過去を振り返ることは単なる郷愁ではない。前へ進むために過去を忘れないことでもある。
場を和ませながらも、うまくフォローしていたのが印象的だった。
バズ・ラーマン
バズ・ラーマンの意見も面白かった。
エントランスの装飾案として、階段を上がった先に巨大なドラゴンを配置するプランが出るのだが、彼は「強烈でいい。でも、来場者はどこまで“古典的な中国”のイメージを期待しているのだろう?」と疑問を呈する。
さらに、「ダブルドラゴンは別のショー向きだ。ウォータースライダーにしたら最高だけどね」と、冗談を交えながらやんわり指摘。
ただ否定するのではなく、ユーモアを交えながら方向性を調整していく感じが印象的だった。
アナの仕事ぶり
また、本作ではアナ・ウィンターの仕事ぶりもかなり見応えがあります。
1999年以来、メットの理事としても活動している彼女は、パーティー全体を統括。
招待客の席順、装飾、会場演出――細かな部分まで即断していく姿は圧巻です。
美術担当者のプレゼンにも、
「色が強すぎる。もっと淡く」
と即座に判断。
さらに開催直前の会議では、
「リハをしなければスタッフは3日連続徹夜になる。展示はまた別の日に見てもらえばいい」
と言い切る場面もあり、その徹底ぶりに圧倒されました。
まさにプラダを着た悪魔のミランダを彷彿とさせます…。
ちなみに、いつもスタバのラージサイズと携帯を持って歩く姿も、ミランダみたい。
ていうか、アナを描いたと言われるのがミランダだから当然か…
本作では、そんな厳しい仕事ぶりだけではなく、自宅で娘と過ごすシーンも少し描かれています。
また、バズ・ラーマンやヴォーグ誌寄稿編集者アンドレ・レオン・タリーがアナについて語ることで、彼女が多角的に描かれているのも興味深かったです。
招待客の席次に頭を悩ませる場面も多く、人との距離感や配慮にかなり長けているのだろうなと感じたのも印象的でした。
まとめ
メットガラという祭典と、その裏側で多くの人が理想を形にしようと奮闘している姿に感動がありました。
さらに、著名なデザイナーやアーティストたちが集う華やかなパーティーの様子も観ることができ、興奮も味わえる本作。
華やかな世界の裏で動く、アナ・ウィンターの仕事ぶりにもぜひ注目してほしい一本です。
また個人的には、ウォン・カーウァイや バズ・ラーマンが、物事を円滑に進める“陰の立役者”のようにも感じられ、「監督ってすごい…!」と思ったのも印象的でした(感想浅い)。交渉や議論を進める言葉選びも学びになった!
両監督の作品を改めて観返したくなった一本でもありました。
『メットガラ ドレスをまとった美術館』3つの見どころ
- ファッション界最高峰のイベント、その「裏側」に潜入
華やかな映画の祭典の舞台裏を徹底追跡。
準備風景や緊迫した空気感など、ここでしか見られない貴重なシーンの連続です。 - 「悪魔」と恐れられるトップ、アナ・ウィンターのプロ仕事
主催者であり世界版『VOGUE』の編集長アナの圧倒的な存在感。
彼女の妥協なき決断力と、展示を作り上げるプロたちの熱量がぶつかり合います。 - ファッションの枠を超えた「一流の仕事ドキュメンタリー」
単なるドレスの紹介ではなく、プロジェクトを成功に導くビジネスの物語。
ファッションの知識がなくても、最高峰を追求する人々の姿に深く引き込まれます。
🌿こんな人におすすめ
・プラダを着た悪魔が好きな人
・アナ・ウィンターの実際の仕事ぶりを見てみたい人
・メットガラの華やかな舞台裏に興味がある人
・ファッション業界の裏側や展示制作の過程を知りたい人
・“仕事に本気な人たち”のドキュメンタリーが好きな人
・美しい衣装や空間演出を楽しみたい人
『メットガラ ドレスをまとった美術館』配信・購入情報
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『メットガラ ドレスをまとった美術館』作品情報・キャスト
2016年製作/91分/G/アメリカ
原題または英題:The First Monday in May
配給:アルバトロス・フィルム
劇場公開日:2017年4月15日
監督:アンドリュー・ロッシ
キャスト:
アナ・ウィンター
アンドリュー・ボルトン
ジョン・ガリアーノ
カール・ラガーフェルド
ジャン=ポール・ゴルチエ
バズ・ラーマン
ウォン・カーウァイ
リアーナ
トム・ブラウン
ケイト・ハドソン
ハロルド・コーダ
マイケル・コース
グオ・ペイ
リカルド・ティッシ
バレンティノ・カラバーニ
ジャンカルロ・ジャンメッティ
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ちなみに本作内でも印象的に語られる『花様年華』は、現在25周年4K特別版が上映中。
配信でも視聴可能なので、気になる方はぜひ。
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