映画『八月のクリスマス』(1998・韓国)感想・考察|生と死の対比が泣ける名作

日常の中にふと訪れる、言葉にならない切なさ。
『八月のクリスマス』は、生と死の境界に立つ青年と、未来をまっすぐ見つめる女性の出会いを、淡く静かに描いた物語です。しんみりするのに、心の中がじんわり温かくなる、お勧めの映画です。

目次

『八月のクリスマス』作品情報

製作国:韓国
製作年:1998年(日本公開:1999年)
上映時間:97分
原題:Christmas in August
配給:パンドラ
監督:ホ・ジノ
出演:ハン・ソッキュ、シム・ウナほか
受賞・出典:第19回青龍映画賞 最優秀作品賞/主演女優賞(シム・ウナ)、・第34回百想芸術大賞 作品賞/最優秀演技賞(シム・ウナ)

『八月のクリスマス』作品紹介

不治の病に侵された写真館の青年と、駐車違反取締員の女性が紡ぐ切ない恋を描いた韓国のラブストーリーです。ホ・ジノ監督の長編デビュー作で、第19回青龍映画賞の最優秀作品賞をはじめ、数々の賞に輝いた名作として知られています。

主演は「シュリ」のハン・ソッキュと、「サランヘヨ あなたに逢いたくて」のシム・ウナ。2005年には日本で「8月のクリスマス」(山崎まさよし主演)としてリメイクされ、こちらも話題を集めました。

『八月のクリスマス』あらすじ

不治の病に侵された青年ユ・ジョンウォン(ハン・ソッキュ)が営む写真館に交通警官のキム・タリム(シム・ウナ)が急ぎの現像を持って来店する。それ以来、タリムは写真館にやって来ては、ジョンウォンとたわいもないおしゃべりをしたりして交流を深めていく。

『八月のクリスマス』感想・考察

ジョンウォンの“死を前にした静かな揺らぎ”

余命わずかでどこか憂いのあるジョンウォンに対して、病のことを何も知らないタリムが若さと恋する気持ちも手伝って、とても輝いています。その対比が、淡々と描かれたいて、より切ないんです。

ジョンウォンが酒を飲み、酔って友に「もう長くは生きられない」と打ち明けたり、交番で「静かにしろ」と言われ、抑えていた気持ちが溢れ出てしまったり。


また、雷が鳴って孤独で眠れない夜、父親の布団にもぐりこんで一緒に寝たり、自身の死後皆が困らないようにと身の回りや写真館の整理を淡々としたり、自ら遺影を撮ったり…。


ジョンウォンの寂しさと悲しみが痛いほど伝わります。


タリムの“未来ある明るさ”との対比が切ない

一方で、タリムはジョンウォンを”おじさん”呼びしたり、ジョンウォンに「なぜ結婚しないの」「誕生月は八月でしょう?獅子座は自分と相性がいい」と明るく無邪気に話しかけます。
ジョンウォンとの未来を思い描いているかのように。

このように、ジョンウォンの、死を前にして悲しみが溢れたりまだ死にたくないという心の表れや、
それでも死を覚悟せざるを得ない行動と、
タリムの何も知らない未来ある明るく無邪気な行動や心理が、対照的で本当に切ない。
ジョンウォンのどこか憂いのある優しいまなざしと、タリムのいきいきとした生気ある笑顔。
惹かれ合う者同士なのに、その云わば、生と死の落差に、思わず胸がつまされます。

『八月のクリスマス』がくれた気づき

最後に、ジョンウォンが、愛を胸に秘めたまま旅立つことができると、タリムへ感謝の気持ちを綴るシーンがあります。
死を前にひとり孤独にあるなかで、愛する人ができた喜びやその存在が心の中を温かくしてくれたのだと思いました。愛する人や守りたい存在、大事な記憶、そんなものを改めて見返したり大切にしたくなる本作です。

そして観終わったあと、自分の生活の中の“かけがえのない時間”にも自然と意識が向きました。疲れているとついスマホやテレビに逃げてしまうけど、目の前にいる子どもの「今」は本当に一瞬しかない。そんな当たり前のことを思い出させてくれました。

余談ですが、『八月のクリスマス』というタイトルは、八月=夏と、クリスマス=冬といった対比と同様に、悲しみの中にもユーモアがあり、ユーモアの中にも悲しみがある。
そういった相反するものがぶつかった時に生まれる情緒的な意味も込められたものだそうです。
色々と味わい深い本作です。ぜひ。

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この記事を書いた人

映画と暮らしの中の “ちょっといいもの” を綴るブログ。

映画好きの二児の母。アラフォー/首都圏在住。

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