『ヴィンセントが教えてくれたこと』感想|不器用な老人の背中から、少年が見つけた「人間の本質」

こんにちは!皆さんは最近、心がじんわりと温まる映画を観ていますか?

今回は、一見すると「ろくでもない偏屈ジジイ」と、隣に引っ越してきた「いじめられっ子の少年」の年の差を超えた友情を描いた名作、『ヴィンセントが教えてくれたこと』(原題:St. Vincent)をご紹介します。

人生の泥臭い部分をリアルに描きながらも、観終わった後には「人間って、捨てたもんじゃないな」と思わせてくれる、最高のヒューマンドラマです。


目次

📖 3行でわかるあらすじ

酒とギャンブルを愛する偏屈な老人ヴィンセントは、隣の家の12歳の少年オリバーのシッターを嫌々引き受けることに。
競馬場に連れ回し、いじめっ子の殴り方を教えるろくでもない日々の中、二人の間には奇妙な絆が芽生えていきます。
しかし、彼には周囲に隠された「もう一つの顔」がありました――。

🎥公式予告動画


今回は、そんな本作の魅力をネタバレなしで、特に注目してほしい「見どころ」を2点に絞って詳しくご紹介していきます!

【見どころ①】ギャップが凄すぎる!最低で最高の主人公ヴィンセントの「ろくでなし」エピソード

主人公のヴィンセント(ビル・マーレイ)は、ハッキリ言って「近所にいたら絶対に関わりたくないタイプの老人」です(笑)。

映画の前半では、彼のとんでもないろくでもないエピソードがこれでもかと量産されます。

  • 借金まみれで、いつも怪しい男たちに追われている
  • 朝から晩まで酒とタバコと競馬に溺れている
  • 12歳の少年オリバーのシッターを引き受けたと思ったら、バーや競馬場に連れ回す
  • 子供に教えることと言えば、「競馬の賭け方」と「いじめっ子の殴り方」

これだけ見ると「不良老人」ですが、名優ビル・マーレイの絶妙な演技力のおかげで、なぜか憎めない、チャーミングな悪党として描かれています。

実はこんなにいい人だった!?隠された「秘密」と全観客が涙するギャップの正体

しかし、物語が進むにつれて、彼の「別の顔」が少しずつ見えてきます。

なぜ彼はそこまでお金に困っているのか? なぜこれほど荒んだ生活を送っているのか?
実はヴィンセントには、「ある人に、毎月莫大な費用を払い続けている」という、誰にも言えない秘密があったのです。

彼がただのろくでもないジジイなのか、それとも……?
その隠された背景が明かされた時、前半のダメ親父っぷりがすべて「愛おしさ」に変わる仕掛けが見事すぎて、完全に心を掴まれてしまいます。

【見どころ②】ここが最高!心を揺さぶる3つの魅力

この映画がこれほどまでに多くの人の心を掴むのはなぜなのか、特に私の心に深く刺さった3つのポイントをご紹介します。

①「誰かが見ていてくれた」という救い

本当に強い人ほど、自分のやってきた善行や苦労をひけらかさないものです。ヴィンセントもまさにそういう人でした。

彼は、誰かに認めてもらうために生きてきたわけではありません。一見すると、ただ不運で孤独な人生を投げやりに生きているようにも見えます。その心には、言葉にならないつらさや悲しみ、後悔が隠されています。

だからこそ、彼の隠された犠牲や、不器用すぎる本当の優しさを、隣の少年オリバーが「ちゃんと見ていてくれた」と気づく瞬間、感動の嵐、涙腺が崩壊します。世界でたった一人でも自分の本当の姿を理解してくれる人がいる――その事実がどれほど人を救うかを、この映画は教えてくれます。

② 子どもの目は「本質」を見抜く

大人はどうしても、肩書きや素行の悪さ、見た目の「表面」だけで人を判断してしまいがちな所があると思います。

しかし、子どもはちゃんと物事の本質や、人の内面を見ているし、一番よく知っているのかもしれません。周りの大人たちが「ろくでなし」と避けるヴィンセントの、不器用な人間味の中にある「本物の愛」に気づけたのは、オリバーの純粋な目があったからこそ。二人の間に芽生えていく様にじょじょに引き込まれます。

③「人間は完璧じゃない」というメッセージ

また、この映画が素晴らしいのは、オリバーが通うカトリック学校の授業という枠組みを通して「人間は完璧じゃなくていい」という普遍的なテーマを伝えている点です。

清廉潔白な聖人君子だけが素晴らしいわけではない。欠点だらけで、だらしなくて、間違いばかりの人生だとしても、その中にある「誠実さ」に価値があるのだという思わせられます。

【感動】ラスト、すべての伏線が回収されるオリバーのスピーチ

終盤、学校の発表会でオリバーが壇上に立つシーンがあります。

彼が語る言葉は、この映画のタイトルである『ヴィンセントが教えてくれたこと』のすべてを証明する、最高の瞬間です。それまで描かれてきたヴィンセントの「ろくでもない行動」の裏にあった真実が、見事に繋がっていきます。

思い出すだけで涙が出るほどの名シーンです。ヴィンセントが一体どんな男だったのか、そしてオリバーが世界に伝えたかった「彼の本質」とは何なのか。その結末は、ぜひ皆さんの目で、ハンカチを用意して確かめてみてください。

まとめ:完璧じゃなくていい。不器用な愛に救われる名作

人は見かけによらないこと、そして人間の内面をきちんと知ることの大切さを痛感させられる最高のヒューマンドラマでした。

劇的に大富豪になったり、ヴィンセントが急に品行方正になったりするわけではない、余韻の残るラストも大好きです。明日からも彼は少し偏屈に生きていくのでしょうが、その心には、オリバーのくれた温かい光が灯り続けるのだと思います。

実はこの映画、エンドロールで流れるヴィンセント(ビル・マーレイ)の「ある姿」がファンの間で大人気だそう。m昔ながらのウォークマンを聴きながら、タバコを片手に庭でボブ・ディランの曲を口ずさむ。ただそれだけの映像なのですが、彼のこれまでの人生と、これからのささやかな幸せがその佇まいすべてに詰まっていて、愛おしさが爆発します。最後の1秒まで、彼の魅力から目が離せません。

ぜひハンカチを用意して観てみてください!

【おまけ】ラスト10分、すべての伏線が回収されるオリバーのスピーチ

上述した、学校の発表会でオリバーが壇上に立つシーン。彼が語る言葉は、この映画の本質、そしてヴィンセントという男のすべてを証明する最高の瞬間です。

思い出すだけで涙が出るほどの名シーンを、映画を観終わったあとに、ぜひもう一度ここで振り返ってみてくださいね。

⚠️ 以下、ラストのネタバレを含みます。クリックで開閉します

劇中屈指の名シーン:オリバーのスピーチはこちら

“聖人とは他人に尽くし徳を積んだ人のこと”だと先生は言いました
聖ウィリアムに似てる人を選びました
彼は一見聖人からはかけ離れてるかもしれません
幸せな人じゃない
人が嫌いだし嫌われ者です
気難しく世間に毒づき心は後悔でいっぱい
お酒にタバコ
賭け事にウソに罵り言葉
”夜の女“とも親しい
でもそれは表面です
深く知れば別の面が

(彼の生い立ちの話が始まる)
貧しさの中路上でワルの生きる術を学んだ
ケンカや賭け事です
ベトナム戦争の戦地では燃え盛る火の中から負傷した将校二人を救出し安全な場所へ
青銅星章を受勲しました

彼の人となりを語るには僕との交流をはなすのが一番でしょう
見知らぬ街に越してきた僕の面倒を見てくれた
義務でもなくむしろ嫌々です
でも見てくれた。なぜなら聖人だから

彼は最近結婚40年の妻を亡くしました
彼女が夫と分からなくても8年間洗濯を続けた
聖人はあきらめない

彼は僕にケンカの仕方を教えました
自己主張の仕方も
聖人は闘ってるからです
自分と人のために

僕は競馬やナンバー賭博も教わりました
だから18歳まで謹慎です
でもあえてリスクを取ることを学んだ
人生のオッズは有利とは限らない

これは彼の猫
猫はグルメで彼は缶詰食
聖人は犠牲をいとわない

確かにヴィンセントは欠点だらけ
でも実際の聖人も同じです
なぜなら聖人とは人間にほかならないのだから

勇気 犠牲 慈悲
人間性こそ
聖人の証です

彼を聖ウィリアムと同等にみなす理由もそこにあります
ご紹介します僕の友だちでシッター
ヴィンセント・マッケンナ
ここに聖人と認めます
ブルックリンの聖ヴィンセントです

💫こんな人におすすめ

不器用だけど真っ直ぐに生きる人に感動したい人
・や肩書きで人を判断されがちな現実にもやもやしている人
「完璧じゃなくていい」と自分の生き方を肯定してほしい人


🌿『ヴィンセントが教えてくれたこと』配信・購入情報

配信

DVD/Blu-ray

※Amazonプライム会員の方は、追加料金なしで見放題対象の場合があります(初回30日間無料体験あり)。
※各サイトの配信状況、価格、在庫状況は時期によって変わることがあります。最新の情報は各リンク先にてご確認ください。

📝作品情報・キャスト

2014年製作/102分/G/アメリカ
原題または英題:St. Vincent
配給:キノフィルムズ
劇場公開日:2015年9月4日
監督:セオドア・メルフィ
キャスト:
ヴィンセント:ビル・マーレイ
マギー:メリッサ・マッカーシー
ダカ:ナオミ・ワッツ
ブラザー・ジェラティ:クリス・オダウド
ズッコ:テレンス・ハワード
オリバー:ジェイデン・リーベラー

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この記事を書いた人

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