『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』ラストの意味を考察|ジョーは本当に結婚したのか?ラストに隠された意味

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』のラストシーンを観て、

「ジョーは本当に結婚したの?」
「なぜ現実と小説が混ざったような終わり方なの?」

と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。

実はあのラストには、原作者ルイザ・メイ・オルコットが抱えていた葛藤と、グレタ・ガーウィグ監督からの敬意が込められています。

今回はラストシーンの意味や原作との違い、そしてタイトルに込められた意味について解説します。

※本記事はネタバレを含みます。

目次

ジョーは本当に結婚したのか?

結論から言うと、本作はあえて答えを曖昧にしています。

ラストではジョーがフリードリヒ・ベア教授を駅まで追いかけ、雨の中で再会を果たします。まるで王道の恋愛映画のようなハッピーエンドです。

しかしその直後、映画は出版交渉を続けるジョーの姿を映し出します。

編集者はジョーにこう要求します。
「主人公は結婚させた方が売れる」

そこでジョーは教授との恋愛を書き加えます。

つまり映画は、

・現実のジョー
・小説の中のジョー

を同時に描いているのです。

雨の駅での再会は「現実」ではなく、「小説のハッピーエンド」だった可能性があります。

原作者ルイザ・メイ・オルコットの本音

実は原作者ルイザ・メイ・オルコット自身も、生涯独身でした。

彼女は当初、ジョーを結婚させるつもりはなかったといわれています。

しかし当時の読者や出版社から、「ジョーを結婚させてほしい」という要望が殺到。

その結果、ジョーは教授と結婚する結末になりました。

グレタ・ガーウィグ監督は、この実際のエピソードを映画のラストに取り入れています。

だからこそ本作のラストは、

「ジョーの人生」であると同時に「ルイザの人生」でもあるのです。

本当に描きたかったのは恋愛ではなかった

ラストで最も印象的なのは、ジョーが完成した本を手にする場面ではないでしょうか。

製本所で一冊ずつ本が作られていく様子。

表紙に刻まれるタイトル。

そして完成した本を抱きしめるジョー。

映画が本当に描きたかったのは、恋愛の成就ではなく、

「ひとりの女性作家の誕生」

だったように思えます。

恋愛のハッピーエンドよりも、本を手にしたジョーの表情の方がはるかに印象的だった人も多いはずです。

アカデミー賞受賞!衣装の色に込められた意味

また本作の登場人物であるマーチ家の姉妹は、個性豊かな四姉妹ですが、実はそれぞれの生き方や性格は衣装の色にも反映されています。

本作は第92回アカデミー賞で衣装デザイン賞を受賞。衣装デザイナーのジャクリーン・デュランは、四姉妹それぞれに象徴となるカラーを設定していたそうです。

ジョー(レッド&インディゴ)情熱や知性を感じさせる色。作家としての強い意志や行動力を象徴しています。

メグ(ラベンダー&グリーン)上品で穏やかな印象の色。家庭への憧れや長女らしい落ち着きが表現されています。

ベス(ピンク&ブラウン)優しさや温もりを感じさせる色。家族を包み込むようなベスの存在そのものです。

エイミー(ライトブルー)芸術家らしい洗練された印象を与える色。成長とともに社交界へ溶け込んでいく彼女の姿にも重なります。

こうした衣装の仕掛けを知ってから見返すと、セリフだけでは語られない姉妹たちの個性や変化がより鮮明に見えてきます。

登場人物たちの心情を、衣装の色でさりげなく表現してしまう演出には思わず唸らされました。

タイトル『Little Women』の意味

原題『Little Women』は、父親が娘たちに送った

My Little Women(私の小さき婦人たちへ)」という言葉に由来しています。
子ども扱いするのではなく、一人の女性として敬意を込めて呼んだ言葉です。

また、日本で長く親しまれている『若草物語』という邦題も印象的です。
若草のようにみずみずしく成長していく四姉妹の姿を表現した、美しいタイトルだと思います。

そして『ストーリー・オブ・マイライフ』という副題。
これは四姉妹の物語であると同時に、ジョー自身が人生を振り返りながら物語を書き上げる作品であることを示しています。

まさに「私の人生の物語」というわけです。

まとめ

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』のラストは、恋愛映画としての描き方もある一方で、実は創作と自立の物語として締めくくられています。

ジョーは本当に結婚したのか。

その答えは観る人に委ねられています。

けれど一つだけ確かなのは、ジョーが最後に手にしたのは「誰かとの結婚」だけではなく、自分自身の人生と物語だったということ。

だからこそ本作は、130年以上読み継がれてきた『若草物語』を、現代にも響く作品として蘇らせたのだと思います。

過去と現在を交錯させながら描いてきた本作ですが、ラストでは冷たく青みがかった現在の映像に、どこか温かな光が差し込むようにも見えました。

それは、自らの人生を書き上げたジョーへの祝福であり、同時に原作者ルイザ・メイ・オルコットへのグレタ・ガーウィグ監督なりの敬意だったのかもしれません。


🌿こんな人におすすめ

・ラストシーンの意味が気になった人

・ジョーは本当に結婚したのか知りたい人

・原作との違いを知りたい人

・タイトルの意味を深掘りしたい人

・衣装や色彩など細かな演出も楽しみたい人


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この記事を書いた人

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