少し前の作品ですが、印象的な絵と実話というキャッチーさに惹かれて鑑賞しました。
観終わったあとには、「無償の愛」について静かに考えさせられる作品でした。
『ビッグ・アイズ』あらすじ
1958年、夫の横暴さに耐えきれず幼いひとり娘を連れて家を飛び出したマーガレット(エイミー・アダムス)。
友人を頼り、サンフランシスコで何とか新生活をスタートさせる。
そこで、二番目の夫となるウォルター・キーン(クリストフ・ヴァルツ)と出会い、結婚。
似顔絵描きのマーガレットと、風景画を描くというウォルター。
多くの人に見てもらいたいウォルターは二人の絵を売り込み、
やがてマーガレットの描く「ビッグ・アイズ」が人気となり、一大ブームにまで発展する。
その作者としてウォルターは一躍有名になるが、実際に描いていたのは妻のマーガレットだった。
事実を隠し続けるも、最終的にはマーガレットが告発し、訴訟にまで発展する…。
『ビッグ・アイズ』見どころ
「アリス・イン・ワンダーランド」「チャーリーとチョコレート工場」のティム・バートン監督が、1960年代アメリカのポップアート界で人気を博した「ビッグ・アイズ」シリーズを題材に、実在の画家マーガレット&ウォルター・キーン夫妻の間で起きた出来事を描いたドラマです。
悲しげで大きな目をした子どもを描いた「ビッグ・アイズ」は、ハリウッド女優たちにも愛され、世界的なブームになります。
作者として脚光を浴びるウォルターですが、実際に絵を描いていたのは妻のマーガレットでした。
マーガレットにとって「ビッグ・アイズ」は、自分の感情を表現できる大切な手段であり、その作品を守るために真実を公表する決意を固めます。
マーガレット役は「アメリカン・ハッスル」「魔法にかけられて」のエイミー・アダムス、ウォルター役は「イングロリアス・バスターズ」のクリストフ・ワルツが務めています。
『ビッグ・アイズ』感想
本作を見て素直におもしろい、すごい話だと思いました。
これが作り話じゃないから驚きです。
「事実は小説より奇なり」とはよく言ったものだなと純粋に感心しました。
意外な展開と、現実だからこその重みを感じられる作品でした。
最近思うんです(唐突)。
”無償の愛”とよく言いますが、
どちらかというと、親から子どもへというより、
子どもから親への愛情の方が合っているなぁと。
自分が子どもにどんなに小言を言ったりキツく怒ったりしても、
嫌がったり嫌うことなく、変わらず「ママ、ママ」と言って無邪気にたくさんの愛をくれる。
そのたびに、「さっきは言いすぎたな」と反省する——
そんなことの繰り返しです。
本作の場合も、娘は、長い間絵を描いていないと母に嘘をつかれていたのに、
怒ることも愛想をつかすこともなく、マーガレットのそばで応援してくれる。
母の置かれた立場や状況を理解し、一番の味方でいてくれる。
母親にとってこれ以上心強いことってないです。
「子は宝」。
このどこか悲しげで、吸い込まれてしまいそうなほど大きな目をもつ子ども「ビッグ・アイズ」をみて、
可笑しくもそんなことを思いました。
そして同時に、思うのです。
——やっぱり、嘘はつくものじゃないな、と。
ちなみに筆者、子どもに年齢をハタチ(!)とごまかし続けているのですが、
そろそろ告白のタイミングかもしれません…
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『ビッグ・アイズ』考察
ここから少し本作を考察してみたいと思います。
マーガレットが声を上げられなかった背景
観ていて何度も、
「なぜ自分が描いたと言わないのか」ともどかしく感じました。
ただ、その背景には
当時の女性の立場の弱さがあったのだと思います。
シングルマザーとして生きていくこと、
仕事を得て、子どもを養うこと——
それ自体が簡単ではない時代。
だからこそ、頼れる存在として現れたウォルターに、
次第に依存せざるを得なかったのかもしれません。
とはいえ、その相手が後に本性を現す人物だったことは皮肉です。
友人からも指摘されていたように、
マーガレットは“人を見る目”という点では危うさがあった。
けれどそれもまた、
追い詰められた状況の中での選択だったと考えると、
単純に責めることはできないように感じます。
娘の存在が“正しい道”へ導いた
マーガレットは、娘のために選んだ道によって、
結果的に自分を苦しめることになりました。
けれど同時に、
その娘の存在が、彼女を正しい方向へと引き戻したとも言えます。
嘘を重ね、支配されながらも抜け出せなかった彼女にとって、
娘はただ守るべき存在ではなく、
“現実を見つめさせる存在”でもあった。
娘はすべてを理解していたうえで、
最後には「訴訟」という一歩を後押しする。
その姿は、
親子関係の中にある“支え合い”の形を象徴しているように感じました。
(劇中では、マーガレットが傾倒していた宗教の影響も描かれていますが、
それだけではなく、娘の存在もまた大きな転機だったのではないでしょうか。)
memo.
守っているつもりで、守られているのかも。
まとめ|『ビッグ・アイズ』が描いていたもの
『ビッグ・アイズ』は、
ひとりの女性が声を奪われながらも、
少しずつ自分を取り戻していく物語でした。
そこには、時代や社会の制約だけでなく、
弱さや迷いといった人間らしさも描かれていました。
そして何より印象的なのは、
守るはずだった存在に、逆に支えられるという関係。
人はひとりでは立ち上がれなくても、
誰かの存在によって、自分の人生を取り戻すことができる。
そんな強さをも感じさせてくれる作品でした。
🌿こんな人におすすめ
- 実話ベースの映画が好きな人
- 「事実は小説より奇なり」と感じる作品に惹かれる人
- アートや創作の裏側に興味がある人
- 人の評価や名声のあり方について考えたい人
- 静かだけど引き込まれるストーリーが好きな人
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『ビッグ・アイズ』作品情報・キャスト
製作国:アメリカ
製作年:2014年(日本公開:2015年)
上映時間:106分
レーティング:G
原題:Big Eyes
配給:ギャガ
監督:ティム・バートン
キャスト:エイミー・アダムス(マーガレット・キーン役)
クリストフ・ヴァルツ(ウォルター・キーン役)
デロレス・ヘリントン(ジェーン役)
クリステン・リッター(ディーディー役)
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