家族であっても分かり合えないことがあることは悲しいのでしょうか。
そんな問いかけのある作品でした。
『フランクおじさん』あらすじ
1973年、アメリカ南部に住む18歳のベス(ソフィア・リリス)は、ニューヨークの大学へ進学する。
その大学には、ベスが大好きな叔父のフランク(ポール・ベタニー)が教授として勤めていた。
フランクは親戚の中で少し浮いた存在だが、思慮深く、ベスはそんな彼を尊敬していた。
しかしフランクには、家族にも言えない秘密があった。
内緒で遊びに来たベスは、偶然その秘密を知ってしまう。
フランクは同性愛者で、サウジアラビア出身の恋人ウォーリー(ピーター・マクディッシ)と10年以上同棲していたのだ。
その翌日、フランクの父が亡くなったという知らせが届く。
『フランクおじさん』見どころ
『フランクおじさん』は、
自身もゲイであることを公表しているアラン・ボールが監督・脚本を手がけたヒューマンドラマです。
アラン・ボールは『アメリカン・ビューティー』でアカデミー脚本賞を受賞した実力派で、
本作でも繊細な人間描写が光ります。
主人公フランクを演じるのは「アベンジャーズ」シリーズのポール・ベタニー。
フランクの姪・ベス役には『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』で注目を集めたソフィア・リリスが出演しています。
サンダンス映画祭でプレミア上映され話題を呼び、
その後アマゾン・スタジオズが配信権を取得し、Amazon Prime Videoで独占配信されています。
『フランクおじさん』感想
※少しネタバレあります。
家族であっても、どうしても分かり合えないことがある――
その事実はとても悲しいものです。
でも、それが現実なのだと感じました。
当時のアメリカ南部の保守的な価値観や、閉鎖的な田舎町の空気。
そうした環境の中で、フランクやウォーリーが自分を隠して生きてきたことを思うと、胸が痛みました。
偶然秘密を知ってしまった父から向けられた偏見は、最後までつらく、簡単には受け止めきれないものでした。
それでも、フランクの父は決して息子を愛していなかったわけではないのだと思います。
ただ、彼自身の「正しさ」や「信仰」が、それを許さなかった。
愛しているのに、相手を深く傷つけてしまう。
そのどうしようもなさが、とてもやりきれませんでした。
『フランクおじさん』考察
本作が描いているのは、
「愛していても、理解し合えないことがある」という残酷さと、
それでも人は変わることができるという希望なのだと思います。
フランクが本当に向き合うべきだったのは、父の偏見だけではなく、
自分自身の中に残っていた恥や、否定されることへの恐れだったのかもしれません。
ウォーリーの存在は、その対比としてとても印象的です。
フランクが家族から受け取れなかった「無条件の受容」を、
彼はさりげなく与え続けていました。
血のつながりがなくても、そばにいてくれる人が
「あなたはそのままでいい」と示してくれること。
その積み重ねが、フランクの内面を少しずつ変えていったのだと思います。
また、ベスの存在も重要でした。
フランクがかつて彼女にかけた言葉が、巡り巡って自分自身に返ってくる。
その構造が、本作の救いになっていたように感じました。
memo.
家族でも理解し合えないことがある。
だからと言って愛していないわけではない。
まとめ|『フランクおじさん』がくれた気づき
「どんな人間になるかは他人でなく自分が決めるんだ。人生は君次第。」
かつてフランクがベスに贈ったこの言葉が、
最終的にフランク自身を救うことになる。
人のことは前向きに励ませても、
いざ自分のこととなると弱気になってしまう。
フランクもまた、そんな一人だったのだと思います。
それでも、人は変わることができる。
そして、そのきっかけは、誰かの言葉や存在なのかもしれません。
分かり合えないことがあっても、分かり合おうとする努力はしたい――
そんな気持ちにさせてくれるラストでした。
未見の方はぜひ。
🌿こんな人におすすめ
・家族との関係に少しでもしんどさを感じたことがある人
・「分かり合えないこと」に悩んだことがある人
・自分を受け入れることに難しさを感じている人
・優しく寄り添ってくれる作品が観たい人
・静かに心に残る映画を探している人
『フランクおじさん』の配信情報
※配信状況は変更される場合があります
『フランクおじさん』作品情報・キャスト
製作国:アメリカ
製作年:2020年
上映時間:94分
原題:Uncle Frank
配信:Amazon Prime Video
監督:アラン・ボール
キャスト:ポール・ベタニー、ソフィア・リリス、ピーター・マクディッシほか
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