朝ドラ「ばけばけ」で主人公の育ての母役を好演していた池脇千鶴さん。
その姿を見て、昔の作品を観たくなり、
思い出すように本作を鑑賞しました。
懐かしさを感じつつも、やっぱり印象深い作品だなと再認識しました。
『ジョゼと虎と魚たち』あらすじ
麻雀店でアルバイトをしている大学生の恒夫(妻夫木聡)は、
ある日店で話題になっていた近所のおばあちゃんの押す乳母車が、
坂から猛スピードで下ってくるところに遭遇。
乳母車に乗っていたのは、ジョゼ(池脇千鶴)と名乗る女の子だった。
それがきっかけとなり、恒夫はジョゼの家に顔を出すようになる。
『ジョゼと虎と魚たち』見どころ
足の不自由な少女と普通の大学生が送る切ない恋の物語です。
田辺聖子さんの短編小説を原作に、犬童一心監督が実写映画化した作品です
妻夫木聡さんと池脇千鶴さんが共演し、足の不自由な少女と平凡な大学生が出会い、
惹かれ合っていく過程が丁寧に描かれます。
2020年には劇場アニメ版が公開されました。
『ジョゼと虎と魚たち』感想
ジョゼは足が不自由という障害を持っているけど、
それもひっくるめて”ジョゼ”という魅力をもったイチ個性として描かれます。
一緒に暮らす祖母がゴミから拾ってきたという本。
それらが山積みの部屋の押し入れの中でたくさんの読書をするため妙に博識で、
ぬか床でぬか漬けを作り、絶品のだし巻き卵を作るくらい料理が上手。
台所では作業台に乗って作業し、ドスンと大きな音を立てて台から降りるというか落ちる。
「なんや、あんたか」「うちに感謝しいや」などと強気なワードで関西弁を話す。
ただ守られる存在ではないジョゼというキャラクターが、とても魅力的に感じられます。
そんなジョゼに恋をする恒夫。
優しくてどこか軽やかな彼との関係を通して、
誰もが経験するであろう出会いと別れが丁寧に描かれていきます。
観ているうちに、自分の過去の恋愛を思い出したり、
登場人物に感情移入したりして、心が揺さぶられす。
主題歌を担当するくるりの音楽も、物語を盛り上げていました。
また、本作は色々な名シーンがあると思いますが、
筆者が特に好きだったシーンは、
ラストでジョゼがあれだけ拒否していた車いす(それも電動)を颯爽と乗りこなし、
お料理中もボサボサだった髪を結ってどこかすっきりした出で立ちだったところ。
でも、作業台からドスンと落ちるように下りる様は変わらなかった場面。
恒夫との出会いによって変わったようで、変わらないジョゼらしさが感じられてすごくよかった。
あとシンプルに妻夫木くんがかっこいいです…
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『ジョゼと虎と魚たち』考察
ここから少し考察してみたいと思います。
本作が描いているのは、
障害を特別なものとしてではなく、
その人の一部として受け入れることの難しさと、
それでも人を好きになる感情の普遍性なのだと思います。
障害を持っていることは、障害を持っていない人より、一言では片づけられないほどの大変さが絶対にあって。
本作でもちょこちょこそう思わせられるシーンは出るのですが、
それをハンデと思わせないジョゼの魅力と、
それに魅了された恒夫というふたりだから素敵な物語になった。
でも、もしかしたらラストは、
“個性として受け入れること”と“現実として共に生きること”の間にある難しさが表れた結果だったのかもしれません。
誰もがが想像した結末かどうかはわからないけど、
それでもなお本作が長きに愛されているのは、
ハンデを持ちながらも魅力的なジョゼとハンデを持ったジョゼをまるごと好きになった恒夫というふたりを描いた普遍的な恋のお話で、それを池脇千鶴と妻夫木聡がめちゃくちゃ好演しているからだろうな。
そんなことを思いました。
memo.
人との出会いで変わる部分と、それでも変わらない自分の良さがある
まとめ|『ジョゼと虎と魚たち』がくれた気づき
誰かを好きになることは、とてもシンプルで、
でも同時に現実の中では簡単にはいかないものもある。
相手のすべてを受け入れたいと思っても、
それを生きていくこととして考えたとき、迷いや揺れが生まれる。
それでも、人を好きになる気持ちは確かにそこにあって、
そのことはいつの時代も尊いことです。
そんな恋のリアルさと切なさを教えてくれる作品でした。
🌿こんな人におすすめ
・切なくてリアルな恋愛映画が観たい人
・「変わること」と「変わらないこと」について考えたい人
・誰かとの出会いで自分が変わった経験がある人
・少し大人な恋愛の距離感や現実を感じたい人
・静かに心に残る映画を探している人
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『ジョゼと虎と魚たち』作品情報・キャスト
製作国:日本
製作年:2003年
上映時間:116分
レーティング:PG12
配給:アスミック・エース
監督: 犬童一心
原作: 田辺聖子
キャスト:妻夫木聡、池脇千鶴ほか
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