映画『ジョゼと虎と魚たち』レビュー|何年経っても色あせない恋の名作

今期の朝ドラ「ばけばけ」で主人公の育ての母役を好演している池脇千鶴さん。
その姿を見て、昔の作品を観たくなり、思い出すように本作を鑑賞しました。懐かしさを感じつつも、やっぱり印象深い作品だなと再認識しました。


※本記事のアイキャッチ画像は、公式サイト(アスミック・エース)で公開されている宣伝素材を引用しています。

目次

『ジョゼと虎と魚たち』作品情報

製作国:日本
上映時間:116分
製作年:2003年
レーティング:PG12
配給:アスミック・エース
監督: 犬童一心
原作: 田辺聖子
出演:妻夫木聡、池脇千鶴

『ジョゼと虎と魚たち』作品紹介

足の不自由な少女と普通の大学生が送る切ない恋の物語です。

田辺聖子さんの短編小説を原作に、犬童一心監督が実写映画化した作品です。妻夫木聡さんと池脇千鶴さんが共演し、足の不自由な少女と平凡な大学生が出会い、惹かれ合っていく過程が丁寧に描かれます。

2020年には劇場アニメ版が公開。

『ジョゼと虎と魚たち』あらすじ

麻雀店でアルバイトをしている大学生の恒夫(妻夫木聡)は、ある日店で話題になっていた近所のおばあちゃんの押す乳母車が、坂から猛スピードで下ってくるところに遭遇。乳母車に乗っていたのは、ジョゼ(池脇千鶴)と名乗る女の子だった。それがきっかけとなり、恒夫はジョゼの家に顔を出すようになる。

『ジョゼと虎と魚たち』感想・考察

“障害”ではなく“個性”として描かれるジョゼの魅力

ジョゼは足が不自由という障害を持っているけど、それもひっくるめて”ジョゼ”という魅力をもったイチ個性として描かれます。
一緒に暮らす祖母がゴミから拾ってきたという本。
それらが山積みの部屋の押し入れの中でたくさんの読書をするため妙に博識で、ぬか床でぬか漬けを作り、絶品のだし巻き卵を作るくらい料理が上手。
台所では作業台に乗って作業し、ドスンと大きな音を立てて台から降りるというか落ちる。
「なんや、あんたか」「うちに感謝しいや」などと強気なワードで関西弁を話す。

そして、ジョゼに恋した恒夫(彼もまたモテ男で優しいんです)。

ふたりを通して、誰もが経験するであろう出会いと別れが丁寧に描かれ、
自分と重ねたり、過去の恋愛を思い出したり、登場人物に感情移入したりして、心が揺さぶられます。
また、主題歌を歌うくるりも、物語をより盛り上げます。

“ハンデ”を超えて描かれる普遍的な恋

障害を持っていることは、障害を持っていない人より、一言では片づけられないほどの大変さが絶対にあって。
本作でもちょこちょこそう思わせられるシーンは出るのですが、
それをハンデと思わせないジョゼの魅力と、
それに魅了された恒夫というふたりだから素敵な物語になった。

でも、もしかしたらラストはそれが一因の結末になったのかもしれない。
みんなが想像した結末かどうかはわからないけど、
それでもなお本作が長きに愛されているのは、
ハンデを持ちながらも魅力的なジョゼとハンデを持ったジョゼをまるごと好きになった恒夫というふたりを描いた普遍的な恋のお話で、それを池脇千鶴と妻夫木聡がめちゃくちゃ好演しているからだろうな。

『ジョゼと虎と魚たち』がくれた気づき

本作は色々な名シーンがあると思いますが、
筆者が特に好きだったシーンは、ラストでジョゼがあれだけ拒否していた車いす(それも電動)を颯爽と乗りこなし、お料理中もボサボサだった髪を結ってどこかすっきりした出で立ちだったところ。
でも、作業台からドスンと落ちるように下りる様は変わらなかった場面。


恒夫との出会いによって変わったようで、変わらないジョゼらしさが感じられてすごくよかった。
あとシンプルに妻夫木くんがかっこいいです…
色々な意味で人の魅力について考えたくなる一作です、久しぶりにぜひ!

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この記事を書いた人

映画と暮らしの中の “ちょっといいもの” を綴るブログ。

映画好きの二児の母。アラフォー/首都圏在住。

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